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買収に伴う営業権の取扱いについて

2007年 02月 22日

VOGT 買収に関連する今回の営業権の取扱いにつき、以下の通り補足説明をいたします。 

  1. 営業権とは?
    1. 営業権とは何か
      企業買収、合併などにあたっては、営業権が多くの場合認識されその評価が焦点となります。営業権とは、しばしば「のれん」とも表現されますが、法律上の権利ではなく企業が持つ「ブランド」「ノウハウ」「顧客との関係」「従業員の能力」等の、目には見えないが価値のあるもの、他の企業を上回る収益を生み出し得る無形の財産的価値(このことを超過収益力とも言います)のことを意味し、会計上は貸借対照表の資産の一つである無形固定資産として計上することになっています。買収、合併による相乗効果(営業強化、間接費用の削減等)等の、未来に創出され得る価値もその対象に含まれます。

      買収の際にはこうした「営業権」「のれん」を評価し、その価値に対する対価を「のれん代」として支払いますが、無形固定資産は、企業の地道な活動の積み上げによって長い時間を掛けて作られるものですから、のれん代を支払う意義は、ゼロから事業をスタートするのではなく、既に価値を有している企業を買収することにより無形固定資産を作るための時間を買うことであるとも解釈できます。
    2. 営業権金額(のれん代)の算出方法
      営業権は目に見えない資産のため、実際の数字に評価することは難しいものですが、企業が他社を買収する際にかかる金額には、通常買収する企業の純資産に加えてのれん代がかかるとされています。つまり、のれん代は便宜的に次の通り定義されます。
           買収金額 - 買収される企業の純資産(*1) = のれん代 (*1) 純資産 = 資産 - 負債

      買収に先立ち、買収者は対象企業の資産・負債の状況と事業内容・計画等を、弁護士、会計士等の専門家の協力の下に精査し(この作業をデューデリジェンス Due Diligence と言います)純資産額の確定を行いますが、当社も VOGT electronic AG の資産・負債の状況と事業計画を専門家の支援を得て精査し、監査法人とも十分に協議を行って純資産額の確定作業を行いました。
    3. 償却資産としての営業権
      営業権は上述のように未来の超過収益力を現したものですから、将来の利益を享受する期間(効果発現期間)に亘りその取得費用を期間配分、つまり減価償却すべきとの考え方により、日本では 20 年間以内で均等額以上を償却することになっています。この償却額は営業費用に計上されます。
  2. 今回の営業権の会計処理について
    1. 今回の償却額
      今回の VOGT 買収の会計処理につきましては、当社の監査法人とも充分に協議をし、上記の考え方に基づき対象資産の評価確定作業を行って参りました。そうした作業に基づき償却額を決定しましたが、その際には「保守主義の原則」(*2)に基づき、できる限り保守的に会計処理をすることを前提といたしました。何故ならば、営業権の価値はあくまでも将来実現することを想定されているものであり、実現の可否はその後の偶発事象等にも影響され、確実な実現が保証されているものではない一方で、営業権の償却費は確実に発生するためです。従って、そうした内容の資産にかかる費用はできる限り早期に一括償却することが財務の健全性の観点からは望ましいとされております。

      (*2) 「保守主義の原則」とは企業会計原則の一般原則の一つで、企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに備えて健全な会計処理をしなければならないというものです。保守的な会計処理は、企業の財務的健全性を高め、事業を存続させていくために必要とされ、社会的に広く認められています。

      特に当社といたしましては、1B7 最終年の本年度は、EBITDA(利払償却税引前利益)売上比率10%を確実に達成し、適正な利益を確保することを至上命題としており、目標達成のため、発生費用につきましてはできる限り保守的に認識し、前倒しに対応する方針でおります。そうした方針の一環で、2006 年 12 月期にこれまで暫定対応にて計上されていた一部の営業権(622 百万円相当額)につき、一括して償却することといたしました。
    2. 業績について 
      上記のような対応を第 4 四半期に行いましたが、今回のような処理は本来通期ベースで考えるべきものです。そもそも、買収に関わる資産の連結会計上の処理については、その資産評価の検証に時間を要するため、企業会計原則では評価の最終確定まで一年間の作業時間の猶予を与えておりますが、一方、日本の会計原則では、本件のような暫定対応に基づいた金額の最終確定時に過去の暫定値の修正を行うことが許容されていないため、今回のように調整額が第 4 四半期のみに反映される形となりました。

      こうした背景で同期の業績数字を修正いたしましたが、事業内容につきましては、売上の増加に見られますように、着実に拡大し、利益につきましても、本修正を除外すれば従来の予想通りの実績を達成しております。

 

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